2015年2月8日日曜日

ある嘘つきの物語 グレアム・チャップマン自伝

 遡る。にわか映画ファン見習い時代の話だ。

 そもそもが産まれてから2011年までの40年間、映画館に行ったことが6回しか無いというのが半ば自慢のようになっていたのだけど、13年、「ウイングスを大画面で!」と言う想いからロックショウを(2回)、その後パシリムを(3回)観に行ったことで映画に慣れ始め、その年末、意識的に「映画に慣れよう」という想いを持ってゼロ・グラビティを観に行って、13年だけでそれまでの40年に並ぶ回数映画館に足を運んだ。

 それを踏まえて、14年も映画を見よう、という想いで色々物色したところで気になったのがちょうど再上映していた「ある嘘つきの物語」だった。グレアム・チャップマンの「死後に作られた自伝」映画で、勿論シネコンなんかでかかるわけなく、上映は渋谷のアップリンクのみ。映画初心者的にはちょっと「壁」感もあるミニシアター初体験だ。窓口でチケットを買うのに既に緊張している初心者は館内に入って「ちょっと広い普通の部屋にスクリーンと普通の椅子がいっぱいある」という風景に驚愕する。これがミニシアターか。

 以上、回想シーン。勿論閑話休題である。

 音声は本人の生前録ったナレーションをベースに恋人のデヴィッド・シャーロックをはじめパイソンズの面々(エリックは不参加)らが声優として参加、映像は複数の作家によるアニメーションを基本としていて、当時のアーカイヴ映像などは僅か。そういう資料的な意味のあるドキュメンタリーとして観るのは間違いだし、かといってパイソン的なコメディ映画とも少し違う。タイトル通り「嘘つきによる自伝」であり、自分の人生を赤裸々に語ってるんだけど赤裸々過ぎて嘘と本当の境界線がはっきりしない。でもそれを「ここは流石に嘘だな」とか思いながら観るでもなく、全てを「こういう作品」として受け止めるのが正解だと思う。パイソン映画で一番グルーヴ感が近いのは人生協奏曲かな……


 いかんせん一月に観たっきりなので細かいコトは忘れてるんだけど、いちばん印象に残ったのがチャップマンのセックスに対する持論で「セックスとは2人以上で単に楽しむもの。但し生殖を目的としない場合に限る」というもの。なんというか、破天荒な意見の様で非常に納得のいく、というか共感できる内容だな、と、特にコレを観た頃は思ったんだよね。当然、これはチャップマンの発言だからここで言う「二人以上」は性別を問わないってのは言うまでもない。

 あと余談だけど、ちょっと前にゲイのパートナー関係とセックスに対する考え方(?)について教えてもらったんだけど、この映画でもチャップマンがシャーロックとの愛情を持ち続けながらも不特定の男女と関係を持ち続ける描写があって、その辺ががようやく少〜しだけ理解できたような気がする(話聞いた時はこの映画のコトは思い出さなかったんだけどね)。

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