2014年1月27日月曜日

Rock Show

なんかOver Americaのデラックス盤がグラミー取ったらしいし。

 Pacific Rimのレビューでも触れたが、去年2回観に行った映画がWingsのRock Showだ。勿論、映像作品のリイシューとアルバムのデラックスエディション発売に併せたリバイバル上映で、新作映画ではない。でもウイングスのライヴを大画面で見れるんだからね。しかも、ウチからかなり近い海老名で、しかも金曜日にやるってんだからね。行かない理由もない。

 重要なのは、この映画は「ポール・マッカートニー」ではなく「ウイングス」のライヴ映画だと言うこと。この映画を観て「ウイングスって所詮ポールのバックバンドだったんだよね」みたいなコトを言い続けられる奴は音楽なんか一生聴かなくてもよろしい。そういう視線でしか「バンド」を観れない奴が音楽を楽しめるとは想わないから田舎に帰ってトマトを作りなさい。

 トマト作りながら音楽聴くのは勝手だが。

 いや待て、何の話だ。そう、ウイングスの映画。大画面で、観たんだよウイングスを。結局海老名でパンフ買い忘れたから、って理由で六本木まで行って、パンフだけ買うのもアレだからもう一回観た、って言うね。いや、2回観る価値はあったしね。勿論DVD(この時はまだBru-Rayプレイヤー持ってない)も買ったぞ。


 音楽映画の何が困るって、映画館で踊ったり拍手したり、って雰囲気がない所ね。コレはフーのAmazing Journeyの時にも凄く思った。アレはドキュメンタリーだったから、曲の合間にインタビューが入ると踊りも止まるからあんまり盛り上がっても困るんだろうけど、全編ライヴ映画だともう立ち上がって踊りたい拍手したい喝采したい、ってそんな気分。まあ、座ってたけど手足首でリズム取りっぱなしでしたよ俺は。当然だろ。海老名はそうでもなかったけど、六本木はそういう客も多かったし、終了時には拍手も起こって気持ちよかったな。
 
 全盛期のウイングスが凄いことは解りきっているんだけど、第二期ディープ・パープルとと同じで、ある程度「通」みたいになってくると、あえて言えば飽きてくるんだよね(格好悪い話だけど)。近年は俺も、ちょっと弱いけど何とも言えない味のあるサイウェル/マッカロウ期やホリー/ジューバー期を聴くコトが多かった。でもやっぱり、大味で解り易過ぎるくらいだけどこの時代の凄さ、ってのを再認識した。

 バンドとしてのこなれ具合が凄いんだよな。ポールは勿論常に前面に出てるスターなんだけど、ジミーやデニーも充分にバンドメンバーとして目立ってる。「サポート」ではないんだよ。ポールと同格って言ったら言い過ぎだけど、見せ場もあるし、それが無理矢理じゃなくて自然に出るべき場所で出る、ポールの見せ場では引く、ってのが出来てる。バンドが上手く行ってる時って、そういうのが自然に出来るし、自然なのが伝わる。それはそのままグルーヴにもなるしね。だからリンダが外してもジョーが暴走気味でも全然気にならない。

 俺は以前からデニーやジミーのファンでもあって、ウイングスで一番好きなのはTime to Hideとか言ってしまったりもするんだけど(笑)、この映画の再公開以来、今までほぼ無視されてた彼らが好き、と言う意見がバンバン出てきた。うん、ソレを「何を今更!」って憤るんじゃなくて、素直に「解ってくれたか!」という気分になれるくらい、俺はマイノリティだったんだよ。

 見所は全編なんだけど、特に終盤、Beware My LoveやLetting GoあたりからラストのSoilyまでの盛り上がりはもう、観ながら発狂するんじゃないか、って言う勢い。本当に立ち上がって踊りたかった。ってか、踊るべきだった。自分の小心を恥じたい。うむ、「ロック・ショウ」という言葉がこれほど当てはまるステージは無いのではないか、それくらいにロック・ショウだった。


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