2014年1月25日土曜日

Pacific Rim

 2013年は変な年だ、重要な年だ、と言うコトばかり繰り返してるのだけど。

 驚くべきコトに、なんと’13年、俺は映画館に6回も行っている。俺が映画を観ないことは一部には有名だと思う。過去に観た映画の数は数えるほどで、小学生の頃観たじゃりン子チエ、それ以降はフック、シックスセンス、マトリックス、フーのAmazing Journeyにリメイクの電人ザボーガー。以上6回と言うことで、過去に観た映画と同じ数をこの1年で観たことになる。

 とはいえ、観た映画の本数は3本なのだ。つまり、同じ映画を何度も観てるのである。まるで映画ファンだ。

 ウイングスのRock Showは最初海老名で観て、そのときパンフを買い忘れたのでついでとばかりに六本木でもう一回観た。コレはもう最高だったのだけど最高なのを解っていて見に行って予想以上に最高だった、と言う話で、とりあえずウイングスの話はまた別にしたい。
 本題は最後にして、もう一つは年末に観たゼロ・グラビティ。コレは「少し映画に慣れよう」と思って、上映時間と話題性と興味の兼ね合いがベストだったから選んだ。面白かった、と言うかやっぱり画に圧倒されたけどね。ストーリーというか、テーマには思うところあったけどまあそれは置いておこう。

で、本題はパシフィック・リムだ。過去に「映画」というものにこれだけハマったことはあっただろうか。

 Twitterで散々話題になっていて、観たいとは思っていたのだけどなかなかタイミングが無くて、結局何を思ったのか友人との旅行先で観る(友人も観たいと思っていたので丁度良かったというのもある)ことに。この時は3D吹き替え版。その後一人で字幕版を渋谷で。そしてなんと(別件のついでがあったとは言え)名古屋まで出向いての4DX(吹き替え)版。
 勿論ソフトも買った。買ったのは最大限に特典映像が入手できるAmazon限定のBru-Ray版である。プレイヤーは持っていないので、それも入手した(ポータブルだけど)。今までは音楽ソフトさえDVDで満足していたのに、明らかに頭がおかしい。 サントラまで買った。わざわざ高価な国内盤を待ったのは友人がエンディングテーマの歌詞を聞き取りで理解したのが悔しかったからだ。ビジュアルガイドは翻訳が手に入らないので原書で(友人はコレも読めるのだ!嗚呼!)。小説版や関連雑誌など、随分色々買った。フィギュアにこそ手を出さないがピンバッジも買って4DX見に行くときはジャケットに付けて行ったぞ。

 最初は「スーパーロボットと怪獣が殴り合う映画」という認識で吹き替え版を見に行って、その通りの映画として観て、爆笑しつつその熱さ、映像のツボの突き具合に興奮していた。正直、それだけの映画のような気がしていた。だが、終わってから一緒に行った友人や、Twitterで色んな人と語り合っているうちに色々違う角度が見えてきた(俺は気付かなかったが友人は初回の段階で既に号泣ポイントがあったという)。コレはもう一度、今度は字幕で観るべきだな、との気分を強くする。

二度目を観る前に小説版を読んで、ストーリーを補完。後に知ったところによると翻訳は省略、誤訳のオンパレードで非常に残念な出来なのだが、それでも映画で(あえて)カットされた部分を補うには充分だった。実際、渋谷で字幕版を観るときにはこの小説の印象で行間を埋めながら観た。この時点で(友人とは全然ポイントが違うが)俺にも泣き所があることが判明。チャックとハークの物語にじんわり来る自分に気がつき「ヤバい!」と感じる。こういう「男の物語」にジーンとくる回路を自分が持っていたことにも驚き。

 三度目は事実上の「アトラクション」と思いつつ4DXならではの(ちょっと馬鹿っぽいとは言え)演出を楽しみながら観るのだけど、何故か泣き所が増えていることに気付く。カイダノフスキー夫妻の末期のシーンとかもうやばいんだよぉ!(シャッタードーム食堂のいちゃいちゃシーンに気付いちゃったせいもあるのかなぁ)

 吹き替えに評判が集まっていたけど、やっぱり本来は字幕版で観るべきだと思う。全編が日本語音声の吹き替え版ではこの映画の「言語に拘る部分」が解らないのね。マコやローリー、ペンテコストの日本語、タン三兄弟やテンドー、カイダノフスキー夫妻も自国語で喋るシーンがある。それに、アレはやっぱりロケットパンチじゃなくてエルボーロケットだ。

 映像は、やっぱり怪獣映画好きなら自動的に満足するんじゃないかなぁ。俺は今のCGがこれだけ重量感を表現できるとは知らなかったから特に新鮮な感動があった。ジプシー・デンジャーが艦船引きずり大股で闊歩し、オオタチを殴る!レザーバックが上陸時に踏み潰すトラックなんてあたりはもうニヤニヤが止まらない感じ。意味もなくコンテナでレザーバックの顔面殴るあたりも良かったなぁ。アレ、痛そうなだけで戦闘技術としてはたいして意味ないよな。それからライジュウをチェーンソードで真っ二つにするシーンな!アレも熱い!オオタチを空中で切り裂くのも格好いいけど、向かってくるライジュウに真っ正面からチェーンソード構えて!コレがもう!

 熱くなりすぎた。

 キャラクターも魅力的で、脇を無理に描かずに主役級だけ、しかも掘り下げたり広げたりせず端的に描くから誰がどういう奴なのか凄く解りやすい。しかもブレイン・ハンドシェイクの設定もあって殆どのキャラが(ペンテコストとテンドーを除いて)二人一組で描かれるから対比で見えやすくなってるんだよね。

 あとは理屈的には明らかにおかしいところを平気で知らんぷりするあたりも大好きだな。コレは70年代日本の特撮やテレビまんが(あえてアニメと言わない)のテイストを感じる。「ジプシーは原子力だからアナログだ!」とか嘘だろう、っていうね。
 ブレイン・ハンドシェイクで相手のネガティヴな感情や記憶が流れ込んで悩む、とか90年代以降の日本アニメだったら絶対やるところを完全無視、とか。マコがテストであれだけやらかして殆どトラウマにもならず2回目のドリフトはあっさり成功とか国産アニメだったらあり得ない。

 あとはやっぱラストだよね。臆面もなく(?)ローリー生還は勿論、「こつん」はもう圧倒的に正しい!アレじゃなきゃ絶対駄目!

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